循環ポンプを使っての往復給湯配管管から直圧式給湯ボイラーに
いきなりですが、壁掛け給湯ボイラーってすばらしい。 直圧だし、スペースは有効に使えるし、壊れないし。
初めて発売された時、ありとあらゆるメーカーが参入してきて入りみだれていましたが、故障やトラブルが多発して、大変だった記憶があります。
それが10年経った今、発売メーカーは吸収合併や撤退しうまい具合に淘汰され、結局昔からの給湯器・ボイラーメーカーが数社残りました。
餅屋は餅屋を絵に描いたような歴史ですが、残ったメーカーも4~5回アップグレードし、今では初期不良をトラブルはほとんど聞かなくなりました。
メーカーさん。頑張ったと思います。
E様の給湯ボイラーですが、往復配管を施していました。
さらに循環ポンプからの漏水が激しかったようで苦肉の策でバケツで受けていましたが、5年前から循環ポンプの運転を止めたそうです。 ポンプのメンテナンス不良もあったようです。
これに加えてこの度、18年使われた給湯ボイラー本体からの漏水があり、取替えるしかありません。
ただ、隣に暖房ボイラーがあり、スペースの関係上、同じ床置きのボイラーでは、メンテナンスが出来ないということ。 その他の理由もあり、以下の点を提案させて頂きました。
一時期流行った、往復給湯配管やめてシングル配管にする。
今でも中規模の建物では行っている配管方法ですが、 それにはお湯が循環させる専用のボイラーが必要になります。
昔は、家庭用給湯ボイラーであっても管体のカベが厚かったため、(ボイラー本体が重く、一人ではとても持てません)循環させる方法でも大丈夫なのですが、 今は、ボイラー事故多発の影響で、設計耐用年数が明記され、管体カベが薄くなりました。 大人一人でも持てる軽さ。
この往復給湯配管 メリットと言えば
- とにかく蛇口をひねればすぐ熱いお湯が供給できること。
- お湯になるまで出しっぱなし! という無駄な水が少ない。
- 複数の人がお湯を使ってもシャワーの温度変化がまずない。
実は結構大きいメリット。
デメリットは、
- 配管経路が長くなり、初期にかかる工事費が大きい。
- お湯を回す循環ポンプが別に必要。 電気代も追加でかかります。
- 循環ポンプの毎年のメンテナンスが必要。(内部シールの交換が必要になり、シールが減ると漏水が始ります。)
やはり、このように箇条書きすれば、一般家庭には不向きなのがよくわかります。
さらに、今の家庭用給湯ボイラーはこの循環させる方法は、メーカーでは禁止になっていますので、シングル配管にしなければいけません。
となりに暖房ボイラーがあるので、メンテナンススペースを確保するため、ボイラーを壁にかける。
このE様の暖房ボイラーのメンテナンススペースは短辺側です。 (これも暖房配管のためあまり流通されてないボイラーです)
今までと同じところに床置きの給湯ボイラーを置くと、暖房ボイラーの扉が開けませんので、短辺前面のスペースをあけました。 これも、カベ掛けボイラーがあるおかげですね。
前半にも書きましたが、壁掛けボイラー発売当初は製品の信頼性が確保されていないため、やむを得ない場合を除きお客様には待ったをかけていました。 10年程経過して、今では「 これいいですよ! 」とおススメしています。
ボイラーに接続する給水と給湯の配管経路が長くなりましたが、正直言ってぱっと見邪魔。(横断している白い配管)ですがどうにもならないので、何かの拍子に配管に上がっても大丈夫なように、配管支持は確実に行いました。
すっきりさっぱり暖房・給湯ボイラー室
ちょうどいい写真がなくて、すみません。 完成です。
給湯ボイラーの種類をざっくり書きますと
- 床置き直圧式
- 床置き減圧式
- 壁掛け直圧式
今回E様は、壁掛けの直圧式=強制給排気の中のFFW=になります。
ボイラーリモコンは台所なので、ここまで来てONOFFする必要がありません。
最後に写真では、給排気筒を外壁まで延長していますが、どこまでも延長できるというものではありませんので、注意が必要です。
今回設置したボイラーです。